2013年5月14日火曜日

柏木麻希『映画「天使の分け前」』

「天使の分け前」とは、ウィスキーなどが樽の中で熟成されている間に、年2%ほど蒸発して失われる分のこと・・・
 
自分たち人間だけの力で美味しいウィスキーが出来上がっていくんじゃない。
自然の力も借りて至極の一品ができあがる。
出来上がるまでに蒸発して消えてしまう分は天使の分
何だかロマンチック!
 
この映画を見終わったあと、「天使の分け前」という言葉の意味を改めて感じられて、爽やかで、清々しい気持ちになりました。
 
でも、映画前半のイメージは全然違いました。
というのも、主人公は暗い過去を持った若者で何度も暴力事件を繰り返していたんです。
しかも、気持ちを入れ替えてやり直そうとしても過去がじゃまをして、
定職にはつけない、彼女の親からは付き合い反対される・・・。
これじゃぁ、やり直そうとしてもくじけちゃいますよね。
何だか、私まで気分がどんよりしちゃいました。
 
それが、彼にとっての恩人と言える人と仲間との出会いをきっかけ人生が動き始めます。
彼はその出会いによって、自分にとって大切なものや、自分の隠れた才能にも気付くんですが、人との出会いは、人生を変える大きな力になるんだって改めて感じました。
 
そんな素敵な出会いをした彼は、ある大きな賭けにでます。
これがもう、綱渡りしてるみたいな息を呑むような緊迫感があって、目が離せない!
主人公の「大切なモノを守りたい」という想いが伝わってきて、知らず知らずのうちに、がんばれ~って応援してました
 
この賭けはいい出会いがあってこそできたことで、
その賭けによって、彼は人生をやり直す一歩を彼なりの方法で踏み出すんです。
いい出会いがあれば、誰にでも人生をやり直すチャンスはあるんだって、生きる力が湧いてきた映画です
 
出会いがキーポイントとすれば、の映画のキーアイテムは、ウィスキーです。
主人公の隠れた才能というのも、このウィスキーに関係があるんですよ。
この映画の中で、ウィスキーの味や香りについて、
「革の磨き粉の香りがする!」とか、
「ふくよかな甘み!」とか・・・。
ウィスキーのことを知らない私にとっては、頭の中が???でいっぱいになるような言葉で表現されています。
さらにはこの映画の中で一つの樽が1億円以上もする破格なものが登場するんです
1億円のウィスキー・・・どんな味がするんでしょうね!
飲んでみた~い!
 
大切な人との出会いによって、ウィスキーのように自分自身を熟成させて、新しい人生をスタートさせる主人公の姿を観て、爽快で清々しい気持ちになれたし人との出会いが人生を大きく変えるんだということを心から感じまし
 
 
これは、我が家にある自然熟成の日本酒。
ウィスキーみたいな色してますけど、日本酒です。
我が家の長男が新しい一歩を踏み出すときに購入したんですがその時よりちょっと褐色が濃くなったような・・・。熟成が進んでるってことかな?
こうして、このお酒が熟成していくように、長男も人との出会いを重ねて成長してくれることを願って、棚の中で静かに寝かしています
彼とこのお酒を一緒に飲める日まで、私も成長して熟していけるように頑張ろう!
 
 
 
 
映画「天使の分け前」は、名古屋の伏見ミリオン座で公開中です!